温かい冬、蝋梅の花を見に、堤防を歩いて
わが家族曰く、蝋梅がもう見ごろなんですって。インスタで見たらしい。ちょっと早くないか?と思いつつ、近場に蝋梅を見に行こうとなったのです。
蝋梅、ロウバイ。Chimonanthus praecox。クスノキ目ロウバイ科ロウバイ属。中国原産の落葉低木。
冬、ほとんど葉の落ちた枝に、小さな黄色い花をたくさん咲かせます。花弁はツヤっとした蝋のような質感。強い甘い香りを放ちます。まだ寒い時期に小さな花をぽつぽつと咲かせるさまは、たしかに梅を思わせるものがあります。
というわけで、その蝋梅の花を見に、焼津市関方、山の手会館へ。朝比奈川の河津桜並木、山の手さくらの近くですね。
よく晴れて穏やかな日和なので、徒歩で。まずは山の手さくらを目指して、朝比奈川左岸をさかのぼります。左岸とは、川の下流を向いたときの左手側のこと。
朝比奈川には重機が入って工事中。川の流れを良くするために川底を掘削しているそうです。
その脇の堤防上にお地蔵さん。
その神社の屋根の上のかわいいやつ。
飾り瓦。跳び狛犬。ものすごくアクロバティックな体勢に見えます。猫のごとき柔軟さ。
堤防に戻ると、水仙の花が。
そういえば、山の手さくらの土手には水仙も植えられていたはず。もしやそちらも見ごろなのでは?期待できそう。
堤防の上は日当たりがよく、めちゃくちゃあたたかい、というよりもはや暑い。ときどき涼しい風が吹くのがありがたい。
ここらへんから河津桜の並木がはじまるのです。とはいえ、いくら早咲きといえど、まだ桜が咲くような時期ではないでしょう。
と思ったら、けっこう咲いている。といっても、特に日当たりのいい枝にだけ、2、3輪ずつというくらいですが。
今年の山の手さくらまつりは、2月23日に開催予定だそうです *1。満開はいつになるでしょう。
桜の根元の水仙は見事に満開。
川では鳥たちがまったりしています。おもに白鷺と鵜。
しかし、われわれはいつまでもまったりしてはいられません。これからさらに蝋梅を見に行くのです。ここまででだいぶ時間をとってしまいました。
朝比奈川をさらにさかのぼります。ばくだん淵が見えてきました。
目的地の山の手会館へは、たぶんこのへんで堤防をおりて、山に向かって進めばいいはず。
と思ったのに、会館が見えない。おりるところを間違えた。行き過ぎでした。
途中なんやかやありつつ、会館前に出るはずの高草川沿いの道へ。ちなみにこの川沿いに梅並木もあるのですが、こちらはまだ蕾でした。
そして到着。山の手会館、「ろう梅の小径(こみち)」。
ほんのりよい香りが漂っています。花はまだ蕾のほうが多く、咲きはじめでしょうか。
蝋梅の花、梅とはいうものの、構造は梅とはだいぶ異なります。
あたりに漂う香りも、さわやかな梅の香とは異なり、強い甘さを感じます。同行した家族曰く、くだものっぽいと。
実にいたってはもう全然違う。なんかちょっと怖い。もちろん食用にはならない。
この、中央部に濃い色が入った花も蝋梅。
ロウバイの基本種は花の中央が紫色なのだそうだけど、そうしたらこれがそれかしら。
花の上で蝿が日向ぼっこ中。
あたたかいので、虫たちも活発です。
足もとの草も、真冬とは思えぬ青々しさ。白花のタンポポなども咲いていました。
それと、草むらのなかをベニシジミが飛んでいたのです。翅がボロボロで、どうやら年を越したらしい。春まで生きられるでしょうか。
さて帰ります。
日はだいぶ傾いたのに、堤防の上は相変わらずのあたたかさ。今のところ、うちのあたりは、ものすごい暖冬です。