笹間神楽と日本家屋の陶芸展 @ 島田市博物館

笹間神楽、須佐之男の舞

島田市博物館分館で「国際陶芸フェスティバル展」と笹間神楽を拝見してまいりました。もう展示終わってしまったけど、とてもいい雰囲気だったので、次回があるといいなと思いつつ感想文。

島田市山間部にある笹間にて開催された「ささま国際陶芸祭」。これにあわせて、島田市博物館分館の日本家屋に、陶芸祭招待作家の作品が展示されました。先日にも家族と見に来たのだけど、最終日の24日に笹間神楽が披露されるというので、ではもう一度見に行こうかしらと一人でお出掛けと相成った次第。

博物館でお神楽ってどういう風にやるんだろう。少々緊張しつつ分館に到着。その時にはお客さんまったくおらず、一人で見ることになったらどうしようといらぬ心配をしつつ、お神楽開始まではまだ時間があります。そこで先に併設の海野光弘版画記念館を拝見。他のお客さんたちが版画の色の重ね方などについて話しているのを聞きながらひとめぐり。

それから改めてお神楽会場の中庭へ。芝生のうえにブルーシートを敷いて舞台とし、その前に並んだパイプ椅子が客席。天気予報の悪天予想に反して穏やかな晴天になり、人もぼちぼち集まりつつありました。

しばらく待ってお神楽開始。笛と太鼓も生演奏。解説を交えつつ三演目。

笹間神楽、三宝太刀の舞

三人が刀をもって舞う「三宝太刀の舞」。かっこいい。特に刀をくるくる回すところがかっこいい。三人が同じ舞を東西南北と中央の四ヶ所を回りながら行い、その場の悪いものを祓うのだそうです。

笹間神楽、須佐之男の舞

面を付けて舞う「須佐之男の舞」。髭の生えた面がこわい。威すような、威容を見せつけるような所作は、小さい頃に見たら泣いてたなと思いました。これも同じ動きを四方と中央で繰り返していました。

笹間神楽、宇須女の舞

「宇須女の舞」。舞う宇須女の着物の裾を絡まないように女郎が払う、その女郎がふざけて滑稽なしぐさをする。なんか、すごくいい塩梅でした。露骨に滑稽な場面以外でもおかしみが滲み出ていて、思わず笑いが出てしまう感じ。すごくいい。

お神楽というもの、儀礼的で抑制された動きでありつつも、やはり舞いであり、音楽に乗って踊るものなんですね。とてもおもしろかった。やはり現場で体感するのはよいです。

これ、本番、笹間の神社で奉納される神楽を見たらどう感じるでしょう。全然違う風に見えたりするのでしょうか。見てみたい。10月の第4日曜日がお祭の日だそうです。

終わってみると、いつの間にか結構な人数のお客さん。カメラ構えてる人が複数いたから、今頃は誰かが写真をネットに上げてくれてるのでは。Facebookあたり検索してみると見つかるかも?

続いて日本家屋(旧桜井邸)で行われている陶芸展を拝見。先に申したとおり二度目、何があるかわかっているぶん、落ち着いて見られる気がします。

島田市博物館分館、国際陶芸フェスティバル展、上客の間の展示

島田市博物館分館、家族の部屋、仏間、主人の間の展示

島田市博物館分館、廊下から

陶芸の良し悪しは正直よくわかりませんが、この展示、場所の力と合わさってとてもよかったです。

元お金持ちの家というだけあってしっかりしたつくり。白い壁に重い色の柱、畳と障子、格子戸越しの外光。落ち着いた雰囲気。そのなか、随所に配置された陶芸が景色におもしろみを加え、大変よい。よい場所でよい展示をしています。

島田市博物館分館、日本家屋庭園

さらに、庭のもみじが美しく紅葉しており、完璧でした。カメラ持ってくればよかった。

島田市博物館分館、小枝アート

「子ども部屋」に飾られていたこの可愛い人たちは、小枝アート作品作り体験のヤツだったようです。講師の先生の作品?可愛い。

以上のとおり分館を堪能。その後、本館の刀剣展「音にきこゆるvol.4」で比企と結城の二つの御手杵を拝み、駅前に戻ってカマキチくんの展示「ふしぎないきもの その2」も拝見、そこにパーカーを忘れて帰宅。行程盛り沢山すぎて最後に失敗しました。

そう、島田市博物館はただでさえ見るべきものが多く、まわりに川越遺跡などもあるから、来たついでにあっちもこっちも見ようなどという気を起こすとえらいことになるのでした。もっと時間に余裕を持って行けばよかった。

ともあれ、笹間神楽は思っていた以上に素晴らしく興味深かったし、日本家屋の陶芸展は美しかった。いいものを見ました。ありがとうございます。いずれ笹間にも行ってみたいものです。

島田市博物館分館、紅葉

島田市博物館分館、陶芸展示

ところで、全然関係ない話ですが、先日、家族と一緒に本館刀剣展を見ていたときのこと。我がオカンが比企御手杵の熊毛の鞘を見て、「そういえばおじいさんが熊の毛皮のチョッキだかチャンチャンコだかを持っていた」と、突如として謎の記憶を喚起されていました。

でも、博物館や美術館って結構そういうところあるような。展示物に刺激されていろいろ思い浮かぶ。なぜかなんの脈略もない記憶が呼び覚まされる。なんか懐かしい気分になったりもする。なぜでしょう。島博の場合、川越遺跡の古い家並みとかの舞台装置の影響があるのでしょうけど。

私もまたいつか御手杵の鞘を見て、オカンがおじいさんの熊のチャンチャンコの話してたなぁとか思い出すことがあるのかもしれません。